寝屋川教職員殺傷事件、加害少年の簡易鑑定結果


2005.2.14に寝屋川市の小学校で起こった教職員殺傷事件の加害少年の簡易精神鑑定の結果は、責任能力ありとの結果であったようです(Yahoo News )。

簡易精神鑑定について以前に書いたエントリの内容を再掲しておきます。

簡易精神鑑定というのは検察官の判断により行われる鑑定です。起訴の前に行われ、主に責任能力の有無について専門家の意見を聞き、検察官が起訴するか不起訴とするかの判断のために行われます。詳しくはこのページを(3種類の精神鑑定 )。しかし１回のみの面接で行われることも多く、迅速で簡易であるのは確かですが、複雑なケース、診断の難しいケースでは結果に疑問がもたれることもありえます。また簡易鑑定を利用することにより、裁判の手前の検察の段階で大多数のケースの処遇がおよそ決まってしまうことを問題視する意見もあります。興味のある方はこちらもどうぞ(簡易鑑定の問題点 )。リンクは全てこのページからのものです(司法精神鑑定 )。よくまとまったページで、勉強になりますね。

過去エントリ　大阪府の家族殺傷事件、容疑の大学生と高校生に簡易精神鑑定 (2003.11.14) より抜粋

今回のケースでは本人の話している内容などから簡易精神鑑定が行われたのは当然だと思います。一方現在得られている情報からすると刑事責任能力ありとの結論も妥当である可能性が高いと思います。
ただしこれまでに伝わっている情報からは責任能力に関する議論は別として、動機や方法などに関して何らかの精神疾患の関与があった可能性は否定できないように思います。おそらく審判ないし裁判のなかで本鑑定の申請がなされるのではないでしょうか。
僕は、少年事件をなんでもかんでも精神医学の領域に持ち込むことには反対の立場ですが、このケースに関しては精神医学の果たせる役割がありそうな気がします。

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Posted: 木 - 3月 3, 2005 at 11:15 午後       |

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