大阪府の家族殺傷事件、容疑の大学生と高校生に簡易精神鑑定


大阪府で起きた18歳の男子大学生による家族殺傷事件で、容疑者の大学生と関与の疑われている16歳の女子高校生に対し簡易鑑定が行われました。
男子学生を精神鑑定　家族殺傷事件で地検支部(Yahoo News )
＜大阪家族殺傷＞容疑の２人を簡易精神鑑定(Yahoo News )
学生を再度精神鑑定へ　家族殺傷事件で地検支部(Yahoo News )

簡易精神鑑定というのは検察官の判断により行われる鑑定です。起訴の前に行われ、主に責任能力の有無について専門家の意見を聞き、検察官が起訴するか不起訴とするかの判断のために行われます。詳しくはこのページを(3種類の精神鑑定 )。

しかし１回のみの面接で行われることも多く、迅速で簡易であるのは確かですが、複雑なケース、診断の難しいケースでは結果に疑問がもたれることもありえます。また簡易鑑定を利用することにより、裁判の手前の検察の段階で大多数のケースの処遇がおよそ決まってしまうことを問題視する意見もあります。興味のある方はこちらもどうぞ(簡易鑑定の問題点 )。リンクは全てこのページからのものです(司法精神鑑定 )。よくまとまったページで、勉強になりますね。

簡易鑑定に限らず現在の司法に関わる精神医学の制度、態勢は決して十分であると言えません。まして児童精神医学領域となるとますます発展途上の感があります。制度の再検討とともに、司法に関わる児童精神科医師の養成が必要とされています。学会などでもそれに対応する動きはあるのですが、需要に応えきれているとは言えないようです。

かと言って仕事の難易度も強度も高そうで自分がやってやろうという気には…なかなかなれそうにないですねえ。こんなことを言っていてはいかんのかもしれませんが。

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Posted: 金 - 11月 14, 2003 at 11:16 午後       |

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