宇都宮　知的障害者誤認逮捕・起訴事件　その後


2004年４月29日に宇都宮市の洋菓子店で発生した強盗事件と、同５月６日に同市御幸ケ原町のスーパーで起こった強盗事件について、知的障害を持つ男性が誤認逮捕、起訴されるという事件がありました。
日本弁護士連合会（日弁連）はこの事件に関して、重大な人権侵害行為であるとし、警告する文書を警察庁や最高検察庁に提出しました。埼玉県警や同地検にも警告書を郵送しています（asahi.com ）

この事件に関しては、以前のエントリ でもお伝えしましたが、その後もいろいろとややこしいことになっています。
下野新聞はかわらず特集を組み、事件を追いつづけています。

下野新聞　Web特集　誤認逮捕・起訴

記事も多くて、一生懸命読まないと整理しにくいのですが、この特集によると無罪判決の確定後の大きな動きとしては

・男性による誤認逮捕・起訴に対する国家賠償請求訴訟（公判中）
・男性による別の刑事事件（バイクの無免許運転）についての再審請求　→　却下
・男性側から養父に対し養子縁組の無効確認を求める訴訟（公判中）
・日弁連からの警告書提出

があります。
また養父による年金の搾取を容認していたとして、男性の弁護団は宇都宮市に対し訴訟を起こすことも検討しているようです。
この間に養父は覚せい剤取締法違反と強要未遂のため、実刑判決を受けています。強要未遂は、成年後見制度の手続きを進めようとする弁護士の業務を妨害したとの内容です。

なんというか、誤認逮捕を機に一部の知的障害者のおかれている、脆弱な生活状況が露になってきているという印象です。まだまだ目の離せない事件ですね。
それにしてもこの事件を根気よく追いつづけ、Web特集を継続されている下野新聞に敬意を表します。

関連過去記事
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Book Review 『自閉症裁判 (2005.3.20)

Posted: 土 - 3月 4, 2006 at 10:00 午前       |

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