宇都宮　知的障害者誤認逮捕・起訴事件　市との福祉行政訴訟が和解


2004年４月29日に宇都宮市の洋菓子店で発生した強盗事件と、同５月６日に同市御幸ケ原町のスーパーで起こった強盗事件について、知的障害を持つ男性が誤認逮捕、起訴されるという事件で、男性が宇都宮市に対して「福祉行政が適切な処置を怠った」として、損害賠償を求めていた訴訟で、2009年10月22日、和解が成立しました。
宇都宮・強盗誤認逮捕訴訟：原告と市、和解　市が６項目改善検討　／栃木 （毎日新聞）
誤認逮捕起訴の吉田さん原告の宇都宮　福祉行政訴訟が和解 (下野新聞)

以前のエントリ でも書きましたが、これは訴訟としてはかなり無理筋であり、一審では請求は棄却されています。二審でも原告側に勝ち目はなさそうだと思っていました。そうした状況で宇都宮市が和解を選んだことに敬意を表したいと思います。
原告らは２３日、県庁で記者会見し、代理人の副島洋明弁護士は「勝訴的な和解だ」と評価した。
（宇都宮・強盗誤認逮捕訴訟：原告と市、和解　市が６項目改善検討　／栃木 毎日新聞より）

原告としては「勝訴的」と言いたくなる気持ちはよくわかりますが、あえて市側を刺激しなくても、とも感じます。

和解では損害の賠償はおそらくなし（どこにも明記されていませんでした。）具体的な内容は福祉新聞に詳しく掲載されていました。Web上には情報がないので直接引用しておきます。
和解内容には、速やかに障害者の福祉、生活支援、成年後見制度利用支援などを実現するために市が障害者生活支援センターの機能強化を検討することが盛り込まれた。
吉田さんのように事実上家族も支援者もいないケースは他にもありうることから、知的・発達障害者の虐待・困窮に対する権利擁護専門の機関を作るなど専門的制度を検討すること、成年後見制度利用支援事業を具体化するため申し立て手続きの費用や後見人報酬を補助することなども市が検討する。
（2009年11月2日付け　福祉新聞より）

市側としてはなかなか踏み込んだ内容になっているのではないでしょうか。すべて検討となっているので、実際にどこまでのサービスが可能となるのかわかりませんが、今後が楽しみな内容ではあると思います。

関連過去記事
宇都宮　知的障害者誤認逮捕・起訴事件　市との福祉行政訴訟が和解 (2009.10.31)
宇都宮　知的障害者誤認逮捕・起訴事件　誤認逮捕について国と県に賠償命令 (2008.2.28)
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宇都宮　知的障害者誤認逮捕・起訴事件　その後 (2006.3.4)
宇都宮の知的障害者誤認逮捕、起訴事件 (2005.5.22)

Posted: 土 - 10月 31, 2009 at 05:01 午後       |

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