会津若松母親殺害事件　家裁による再鑑定結果


2007年5月14日、会津若松市で男子高校生が母親を殺害したとされる事件について、被疑少年の家裁による鑑定結果が報道されています。
鑑定は「責任能力なし」＝母殺害の少年－検察の実施結果と異なる・福島家裁支部 （時事ドットコム）

追記 (2008.1.31)
2008.1.24の河北新報に少し詳しい記事がありました。
会津若松母親殺害　「少年に精神疾患」家裁支部鑑定で判断 (河北新報 要登録)

この事件では家裁送致前に検察による鑑定が行われていますが、今回はそれとは異なった結果になっています。
（検察による鑑定結果については会津若松母親殺害事件　鑑定結果 をご覧下さい。）

今回の裁判所による鑑定には児童精神科医が参加しているようです。
関係者によると、家裁の精神鑑定には、検察側鑑定に入っていなかった児童精神医学の専門医が加わった。鑑定は１月２１日までの約３カ月間にわたり、精密な脳波検査を含めて実施した。
（鑑定は「責任能力なし」＝母殺害の少年－検察の実施結果と異なる・福島家裁支部 時事ドットコムより）

結果も検察鑑定とはかなり異なったものとなっています。
その結果、発達障害など複合的な要因によって、少年は「明らかな精神疾患がある」と判断された。この精神疾患のため、少年は事件当時、責任能力に問える状況にないか、それに近い状態だったとしたという。
（鑑定は「責任能力なし」＝母殺害の少年－検察の実施結果と異なる・福島家裁支部 時事ドットコムより）

最近の鑑定では発達障害のみでは、あまり心神耗弱、心神喪失と判断されないことが多いのですが、今回の鑑定では責任能力を問える状況にないとされています。「複合的な要因」が効いているのかもしれません。

少年審判の段階で、2回の精神鑑定が行われた事件というのはあまり記憶にありません。結果の解釈も含め、家裁の判断が注目されます。今月中に審判の結果が出る予定のようです。

追記 (2008.1.31)
鑑定の結果の解釈について、地元の専門家のコメントがでています。
精神鑑定に詳しい福島県内の専門家は「責任能力を失わせる度合いが大きい統合失調症かどうかを重視する立場と、発達障害などでも重大な疾患ならば責任能力が損なわれるとみる立場で判断が分かれたのではないか」と指摘している。
（会津若松母親殺害　「少年に精神疾患」家裁支部鑑定で判断 河北新報より 要登録）


関連過去記事
会津若松母親殺害事件　家裁による再鑑定結果 (2008.1.25)
山口、京都、会津若松　少年の精神鑑定 (2007.10.23)
会津若松母親殺害事件　鑑定結果 (2007.10.3)
会津若松母親殺害事件　本鑑定実施へ (2007.5.27)

Posted: 金 - 1月 25, 2008 at 12:07 午前       |

©