長崎男児誘拐殺害事件、鑑定結果続報


各新聞が一斉に鑑定結果の内容をかなり詳細に報道し始めました(Mainichi Interactive 、中日新聞 )。
高機能広汎性発達障害と診断されていますが、事件との直接の因果関係は否定されているようです(Asahi.com )

2000年５月に愛知県豊川市で起きた事件の際に用意された資料 が参考になるかも知れません（日本自閉症教会東京支部 ）。興味のある方は是非ご覧ください。
もうひとつ高機能広汎性発達障害に関する資料 を挙げておきます。

また被害者の遺族は鑑定書の一部の閲覧をしたようです（Yomiuri On-line ）。

これまで伝わってきている被疑者の生育、生活歴や事件の経緯などからすると、妥当な鑑定結果であると思われます。鑑定書では障害と事件の直接的な因果関係は否定されています。先天性の障害とこれまでの生育歴、最近になっての生活環境が影響して事件につながったとする今回の鑑定には強い説得力を感じます。

今回、鑑定書の提出直後に一部報道機関のページに障害名を含めた鑑定書の内容が掲載され、あっというまに見られなくなりました。そして数日が経過して今回の報道となったわけですが、この数日間の意味を感じる報道内容となっています。というのはどこのレベルで検討がなされたのかわかりませんが、鑑定書がよく読み込まれ、また記者も広汎性発達障害についてある程度勉強する時間があったんだなあと推測できる記事になっています。直後に障害名だけが喧伝され一人歩きするよりも、今回のように数日間かけておそらく家裁、報道機関レベルでしっかりとした検討がなされた上で報道されたことは喜ぶべきでしょう。

もっともそもそも鑑定書の内容自体が報道されたことに疑問がないわけではないのですが、これだけ大きく取り扱われた事件ですっかり隠してしまうのは非常に困難でしょう。ぽろぽろと断片的な情報が出てくるくらいなら、今回のような形でじっくりと報道される方がよいのかも知れません。

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Posted: 水 - 9月 24, 2003 at 07:48 午前       |

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