岡山駅突き落とし事件　被疑少年の検察官送致を決定


2008年3月25日夜、ＪＲ岡山駅のホームで男性が突き落とされ死亡した事件で、殺人と銃刀法違反の非行事実で家裁送致されていた少年について、大阪家裁は第2回少年審判にて、検察官送致とする決定をしました。
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中国新聞が家裁の決定要旨の全文を掲載しています。
突き落とし事件の決定要旨　大阪家裁 (中国新聞)

少年は簡易精神鑑定で「アスペルガー症候群」と診断され、その後の正式鑑定でも広汎性発達障害との診断がなされているようです。
家裁はこの日の決定で、本格的な精神鑑定で「広汎性発達障害」と診断されたことを踏まえ、「刑務所に入る方法として殺人を着想し、こだわり続けた特性が強く作用した犯行だが、刑事責任能力は認められる」と指摘。成人と同様に刑事裁判で審理することが妥当と判断した。
（岡山突き落とし殺人、１８歳少年は刑事裁判で審理へ asahi.comより）

この決定は広汎性発達障害それ自体だけでは、責任能力の減弱をみとめないとする最近の流れにそったものです。家裁の決定要旨には次のように書かれています。
このようにあまりに短絡的、未熟な思考から犯行に至ったのは父親から突き放すような言葉を言われたと感じ、激しい落ち込みと怒りを覚え、逃避の方法として「遠くに行く」か「刑務所に入る」かを並列的に考え、「確実に刑務所に入る方法」として殺人を着想、これにこだわり続けたとの少年の特性が強く作用した。

この点が事件に及ぼした影響が軽いものではないとしても少年の刑事責任能力を著しく減殺するものではない。
（突き落とし事件の決定要旨　大阪家裁 中国新聞より）

一方で、ではどこが適当な処遇場所となるかという点については議論がありそうです。
審判終了後、少年の付添人弁護士は「決定は不服。少年の特性を考えると、少年院の教育を早期に受けさせるべきだ」と話した。
（ＪＲ岡山駅突き落とし、１８歳少年の検察官送致を決定 YOMIURI ONLINEより）

確かに現状では広汎性発達障害をもつ人の矯正教育には、少年院に一日の長があるようには思われます。とは言え、この事件の場合、16歳以上原則逆送のルールを考えると、家裁で保護処分はありえなかったかもしれません。今後の裁判の中でどのような結論が出されるのでしょうか。

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Posted: 土 - 9月 27, 2008 at 07:32 午前       |

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