知的障害の男性　食事を与えられず餓死


熊本市の知的障害を持つ男性が、母親から1ヶ月間食事を与えられず、死体で発見されるという事件があり、母親が逮捕されました。
食事与えられずに知的障害の長男死亡　母親を逮捕　熊本 (asahi.com)
保護必要な長男が餓死、旅館従業員の母親を逮捕…熊本 (YOMIURI ONLINE)
食事与えず放置の母親逮捕　19歳長男、自宅で餓死か (中国新聞)

痛ましい事件です。民生委員も福祉担当者も本児の痩せに気付いていたということだけに、なおさら悔やまれるところでしょう。
水俣市によると、宏一郎さんは十五歳まで養護施設から小中学校に通い、中学卒業後に現在の自宅へ移った。同市の福祉担当者は「母親と相談しながら適切な対応を決めていこうとしていた矢先だった。力が及ばなくて残念だ」と話した。

養護施設に入所していたということは、知的障害は比較的軽かったのでしょうか。あるいは乳児院からの養護施設に移っているようなので、知的障害の存在がはっきりする前に養護施設に入っていたのかも知れません。それはともかく養護施設に入っていたということは、少なくとも数年前までは児童相談所が深く関わっていたということになります。施設を出た後のフォローがどのようにされていたのか、虐待のハイリスクケースとして扱われていたのか、その後の福祉への引き継ぎがどのようだったのか、気になるところです。

ひとつ思うのはこのケースが18歳未満であれば、つまり児童虐待防止法の対象年齢であれば、もう少し事態は変わっていたのではないかということです。地域差はあるのでしょうが、最近の児童相談所の虐待への対応は、ここ数年でかなり改善されてきていると思います。もし今でも児相が関わっていれば…とつい思ってしまいます。障害者虐待防止法の制定も検討されているはずですが、どうも遅れているようです。虐待のリスクの高い障害者のケースに関する、法律とシステムの整備がやはり必要なのだと思います。

関連過去記事
障害者虐待防止法制定へ (2005.5.9)

Posted: 金 - 4月 6, 2007 at 01:40 午前       |

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