キレーション療法施行中に死亡した少年の剖検結果


2005年8月に米国でキレーション療法の施行中に死亡した少年の、剖検結果が発表されたようです。地元紙のPittsburgh Post-Gazette に記事が掲載されています。

Death of 5-year-old boy linked to controversial chelation therapy (2006.1.6)
記事中では、EDTA注射による脳の酸素欠乏と非可逆的な心臓の障害が死因であったとしています。

また同誌は、キレーション療法自体が死因となった訳ではなく、薬剤の誤投与が原因だとする専門家のコメントを掲載しています。
Drug error, not chelation therapy, killed boy, expert says (2006.1.18)

日本語の情報がこちらに
ASD News International: 海外自閉症情報 の中のエントリ
　死因はやはりキレート剤か?
　誤って別の薬を投与した?: キレーション中の死亡事故

この記事には、死亡はキレーション療法自体に問題があった訳ではなく、投与する薬剤を誤った医療過誤だとする、鉛中毒の専門家、Dr. Mary Jean Brownのコメントが掲載されています。彼女は、EDTAカルシウム二ナトリウムを投与すべきであったところを、EDTA二ナトリウムを投与したために生じた、低カルシウム血症が死亡の原因となったのではないかと述べています。

一方で、記事中にも述べられていますが、自閉症に対するキレーション療法はそもそも有効であるかどうかさえも検証されていない状態です。実験的治療として厳密な手続きを経て、研究目的で行うのであればいざ知らず、安易に手を出すべき段階ではないと言えるでしょう。

関連過去記事
５歳の自閉症の少年が、キレーション療法施行中に死亡 (2005.9.2)

興味のある方はこちらもご覧ください。
自閉症とワクチン、水銀　関連過去記事一覧

Posted: 月 - 1月 23, 2006 at 09:52 午後       |

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