千葉自閉症女児殺害事件　地裁判決


2008年2月3日、千葉県で自閉症をもつ13歳の三女を殺害したとして、殺人罪に問われていた母親に対し、千葉地裁は懲役6年の判決を言い渡しました。
自閉症の娘殺害　４９歳母に懲役６年判決 (MSN産経ニュース)
市原の三女殺害：母親に懲役６年－－地裁判決　／千葉 (毎日jp)
懲役６年判決、市原の三女殺害 (asahi.com)

被害者は自閉症に加えてトゥレット症候群を合併していたようです。確かに音声チックや激しい運動チックなどを伴うトゥレット症候群の合併は、自閉症を持つ子どもへの対応をより困難にし、将来への見通しをゆがませることがあるかもしれません。トゥレット症候群についての解説は東大の金生先生が作られているこちらのページ が詳しいかと思います。
栃木力裁判長は判決理由で、自閉症のほかに、自分の意思に反して叫び声や手足の動きが出てしまう「トゥレット症候群」の症状が悪化した３女の耀さんについて、池田被告が「死ぬことが娘のためだという勝手な思い込みから犯行を行った」と指摘する一方、「責任能力を損なうまでは至らないが、うつ病の影響が一定程度作用していた」と述べた。
（自閉症の娘殺害　４９歳母に懲役６年判決 MSN産経ニュースより）

一方で判決では、被告人のうつ病への罹患は認定しながら、責任能力の減弱は認めていません。しかし一定の情状を認めているようです。
栃木裁判長は「勝手な思いこみによる犯行は正当化できないが、愛情を持って向かい合っていた経緯は考慮すべきだ」と指摘。責任能力については「判断能力は完全に保たれていた」と認定し、執行猶予を求めた弁護側の主張を退けた。
（市原の三女殺害：母親に懲役６年－－地裁判決　／千葉 毎日jpより）

責任能力の減弱を認めず、情状を認める、このあたりのロジックがもう一つ理解しにくい判決です。いっそ逆であれば納得はしやすいのですが…。
「死ぬことが娘のためだという勝手な思い込み」というところがポイントになるのでしょうか。

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千葉　自閉症の三女殺害容疑で母を逮捕 (2008.2.3)



Posted: 月 - 3月 23, 2009 at 11:34 午後       |

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