医療心理師と臨床心理士　精神科七者懇談会からの緊急声明


最近表立ったニュースの少ない心理職の国家資格化関連の話題ですが、表題のものを含め、最近のいくつかのニュースやエントリをまとめてご紹介したいと思います。

2006年11月4日、日本心理学会・日本心理額諸学会連合共催シンポジウム「心理学会が目指すべき資格制度のあり方」が、福岡にて開催されました。
参加された方からのレポートとして以下のようなものがありました。
日心・日心連の国家資格関連シンポジウムに参加して
日心・日心連の国家資格関連シンポジウムから帰って
日心・日心連の国家資格関連シンポジウムより、平先生のお話まとめ （以上臨床心理職能メモ より）

日本心理学会大会 (心の探求、あるいは夜の世界 より)

あと参加されていなかった方々からも、次のようなエントリが揚げられています。
【行きたかったけど】資格問題に関するシンポジウム＠日心【お金がなかったorz】 （ロテ職人の臨床心理学的Blog ）
日心シンポ〜「社会心理士」ってネーミングはどうなんだろうか？ （jazzyyysmile ）

皆さんのエントリを見る限りでは、それぞれのシンポジストの発表には見るべきところもあったものの、全体にはやや時間が不足して議論は煮詰まらなかったということのようです。まあ、たいがいのシンポジウムというのはそうしたものではあるのですが…。

このシンポジウムの席でも日本精神科病院協会からの修正要求が取り上げられたようです。その内容がこちらのエントリに掲載されています。全心協からの修正要求についてもふれられています。
２資格１法案への修正要求とは （臨床心理職能メモ）


またこのシンポジウムに先立って、精神科七者懇談会から緊急声明が出されています。
心理職国家資格法制化に対しての緊急声明 （日本精神科病院協会 サイトより）

七者懇というのは、日本精神神経学会、精神医学講座担当者会議、国立精神神経科診療所協会、日本精神神経科診療所協会、日本精神科病院協会、日本総合病院精神医学会、全国自治体病院協議会精神科特別部会という日本の精神医学、精神医療関連の主立った会が軒並み参加している懇談会です。それがこれだけ表立って反対しており、
しかも関係団体との調整が終了したかのように報じられていますが、現段階で関係議員などから明確な説明はありません。精神科七者懇談会総会は本法案要項骨子について現時点でも重大な疑義を持っており、本法案がほぼ昨年同様の内容で国会に上程されるのであれば、反対せざるをえません。

という状態では、ここから先に進むことは難しいようにも思われます。法案の修正は進んでいないのでしょうか。あるいは昨年の轍を踏まず、医療関係団体の関わらないところで修正が進められているとすると、またややこしいことになりそうです。

最後にやはり臨床心理職能メモ の最近のエントリ、初夢は見ましたか の中で、最近の情勢について少しふれられています。
それによると現在法案の提出にブレーキがかかっているのは、精神科医療諸団体（医療だけでなく医学系の団体も一緒に反対しているようですが）の反対が主な理由であるようです。日本医師会も、その後態度を変えたという話を全くきいていないので、やはり「２資格１法案」に対しては反対の姿勢を維持しているのだと思われます。

いずれにせよわかりにくい「２資格１法案」のままでは、成立は難しいということなのでしょうか。楽観はできないようです。

以下もご参照ください。
医療心理師等、国家資格化関連記事一覧

Posted: 水 - 1月 3, 2007 at 10:28 午後       |

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