知的障害者への賃金未払い


岩手県花巻市内のクリーニング会社で知的障害者の従業員に長期間、賃金が支払われず、花巻労働基準監督署が調査に乗り出したことがわかりました。また、岩手県は人道上問題が生じるほどの長時間労働を強いられているとして、同じ会社で働く別の知的障害者５人を、会社の寮から社会福祉施設に移し、保護しました。
知的障害者に賃金未払い　長時間労働も　岩手の会社 （ashi.com）

これもやりきれない事件です。

会社側に同情的すぎるかも知れませんが、おそらくこの会社は、少なくとも当初は障害者雇用について理解があり、積極的に行っていた会社だったのでしょう。その後、種々の原因による経営難から労働条件が悪化し、このような事態に至ったのだと推測されます。こうした状況で、サービス残業が増える、給料が遅配になるといった状況は、一般の労働者にも起こりうるわけで、必ずしも障害者特有の問題とは言えない気がします。障害者の就労をすすめるということは、一般的な労働問題の中に、身を投げていくということでもあるのだと思います。

しかしその一方で、障害者の場合、異議申し立てや労働条件などの交渉ができなかったり、それを行うのに周囲の人の協力が必要になったりします。またある会社を辞めたとして、その再就職が一般の労働者よりも困難になることも予想されます。そうした意味ではより手厚い保護がなされないと、今後もこのような事例が起こってくることになるのでしょう。この事例のような1年8ヶ月の給料の遅配というのは、やはり一般の労働者では考えにくいのではないでしょうか。

最近の記事でも取り上げているように、障害者の雇用を取り巻く環境は徐々に改善されてきていることは確かです。今後、さらに条件の整備が進み、こうした事例が減っていくことに期待したいと思います。

興味のある方はこちらもご覧ください。
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Posted: 金 - 7月 27, 2007 at 07:32 午前       |

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