自動車保有と生活保護


自動車の保有を理由に福祉事務所が生活保護受給申請を却下したのは不当であると、秋田県が裁決しました。（asahi.com ）
正しい方向の判断だと思いますが…。

この仕事をしていると中途半端に資産がある場合に、生活保護が受けられず困ってしまうことが時にあります。田舎に持ち家があったり、車があったり…。
すぐに売れれば良いのですが、売っても結局は数カ月がしのげる程度。家を売れば住むところはなくなるし、近くに条件のいい（＝とても安い）借家がなければ転居を余儀なくされ、かろうじて利用できていた地域の資源（親切な近所の人とか）が利用できなくなることがあります。車にしても地域の事情によってはそれこそ就労の条件になりかねません。
杓子定規の適用でなく、ニーズに応じた判定に少しずつ変わっていくといいと思います。

ただ、裁量の部分を大きくしていくとかつてあったような不正受給に道を開くことになりかねません。しかし不正受給を防止することが優先されて、必要な人が受給できないのでは本末転倒ではないでしょうか。一定のチェックをした上でというのは必要だと思いますが、多少の無駄が出ても必要な人に届く生活保護になってほしいと思います。

医者のクセかもしれませんが、こういう時にすぐ薬のアナロジーで考えてしまいます。多少の副作用（＝不正受給）が出ても、患部に薬がきちんと必要な量届くことが必要な時があるのではないでしょうか。

もっともこの記事（asahi.com ）もあったりするので、生活保護費全体の増大も考えないといけないのは確かです。でも必要なら出すしかないですよね…と見栄を張りたいところです。消費税増税かなあ、やっぱり。ふう。

Posted: 火 - 9月 16, 2003 at 10:45 午後       |

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