Book Review『 自閉症への親の支援　TEACCH入門』


少し前に出版された本ですがご紹介を。
エリック・ショプラーとノースカロライナ大学のTEACCH部 の編集で1995年に出版された "Parent Survival Manual" の翻訳です。日本では2003年3月、黎明書房 から田川元康監訳で出版されています。


自閉症児に対する大規模な療育プログラムを研究、実践しているグループのまとめた本です。

第１章　はじめに -親と専門家が同じ目標を目指す-
第２章　反復行動と興味のかたより
第３章　コミュニケーション
第４章　遊びと余暇
第５章　攻撃的な行動
第６章　トイレの使用と衛生管理
第７章　食事と睡眠
第８章　行動への対処
第9章　地域支援

という章立てからわかるように、現実的な場面ごとに対処法を提案したり、問題解決へのヒントを示すといったないようになっています。各章の最初には、表面上に出てくる行動上の問題（例えば他人をたたく、つねるなど）と、背景にある問題（コミュニケーションの方法に限界がある、欲求不満を生じやすいなど）とが氷山のイラストを使って整理されています。このようなかたちで問題行動の背景に自然に目が向くような作り方がされており、より効果的な解決法を自ら考えるための足場を築くのに良い本だと思います。

具体的で応用範囲の広い内容が多いので、親御さんだけでなくアドバイスをする専門家にとっても参考になる内容です。

TEACCHに関してはこちら。
参考文献　TEACCHに関する若干の基礎的な情報

Posted: 木 - 9月 11, 2003 at 10:40 午前       |

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