広汎性発達障害疑いの少年の不処分決定が確定


強制わいせつ傷害の非行事実に問われた奈良県内の１６歳の少年が奈良家裁で「非行事実なし」の不処分決定を受けました。検察官は抗告しましたが、大阪高裁は警察の捜査手法などに疑問があるとして抗告を棄却し、不処分の決定が確定しています(Yahoo News )。

以前から成人、少年を問わず知的障害や発達障害を持つ被疑者に対する警察の取り調べの方法についてはしばしば批判されてきています。もっと言えば健常者に対する警察の取り調べ方法もけっして褒められたものではないようです。司法修習生の盗撮疑惑についても処分保留のまま釈放となっており、TVで会見を見た限りでは被疑者は警察の強引な取り調べ手法を批判しているようです(Yahoo News )。もっともこの件は最終的にどこに落ち着くかまだわかりませんが。
いずれにせよ警察、検察の取り調べについて、常に弁護士などの付き添いを認める、あるいは録音、録画を義務づけるなど何らかの歯止めや検証手段が必要なのでしょう。

それはともかく記事の中の、
少年は、他人とほとんど会話のできない「広範性発達障害の疑い」と診断され、

というフレーズは、誤解を招きかねない表現であるように思います。
広範性（広汎性と書かれることが多いですが）発達障害のケースで「他人とほとんど会話ができない」「知らない人とは話ができない」という訴えは時に見られることがありますが、あまり頻度は高くないように思います。この書き方だと、「知らない人と話ができないのが広汎性発達障害だ」と受け取られてしまうかもしれません。記者の方もよく知らない疾患について限られた文字数で伝えなければいけないので、なかなか難しいのでしょうが、やはり少し気になってしまいます。

Posted: 水 - 1月 26, 2005 at 11:13 午後       |

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