X染色体と自閉症


ターナー症候群 やX染色体に一部欠損のある女性の研究からX染色体上の特定の領域が、表情から恐怖を読み取る能力と関連するとする論文(英文) が発表されました。
またこのグループの研究者がBritish Association for the Advancement of Science のカンファレンスにおいてこの研究結果と自閉症との関連について述べています(ABC Online(英文) )。

自閉症やそれに関連する障害の発生率には明らかな男女差があるとされています（男＞女）。この研究はその理由を説明しうる仮説を提供していると言えるでしょう。

研究の概要は以下のようです。

人間の脳の中の扁桃体という部分は他人の感情を読み取る能力と関連があるとされています。この扁桃体の大きさは男性(46XY)が女性(46XX)より大きく、またターナー症候群の女性(45X)では更に肥大しています。また45Xの女性では表情から感情を読み取る能力が両側の扁桃体を切除した患者よりも更に劣っています。そこでX染色体の位一部に欠損のある女性を調べるとその欠陥に関連する遺伝子はXp11.3と言う部位にあり、その部位にはMAOBという神経伝達物質の代謝に関係する酵素の遺伝子が含まれていることがわかりました。

結局このX染色体上に遺伝子があるMAOBという酵素の働きが社会的な認知能力に関連するのではないかということですね。

Posted: 月 - 10月 6, 2003 at 11:37 午後       |

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