自閉症者の脳と炎症反応


自閉症者の脳脊髄液や脳の組織の中ではサイトカイン が増加し、また脳の組織中では炎症に関わる細胞が活性化されていることがわかりました(米小児神経学会誌 英語、Yomiuri-Online 日本語)。

研究グループは自閉症者の脳、特に大脳皮質、白質、小脳で炎症反応が見られるとしています。これまでも自閉症と免疫系、炎症との関わりは注目されており、腸管での免疫反応についての研究や、血液の中のサイトカインの増加を示す研究などがありました。今回の研究は中枢神経系の中で直接、免疫反応の亢進を確認している点で注目すべき結果となっています。

現時点ではこれがさらに多くの自閉症者でみられることなのか、あるいは必ず起きることなのかといったことを確認していく必要があります。またこうした免疫系の異常が自閉症の直接の原因であるのか、あるいは共通の原因から得られる２つの結果であるのかといった点について、因果関係の有無を検証していく必要があると思われます。

追記；数少ない（？）ネット上の児童精神科医仲間のぱんぷるむーすさんのブログ でもこの論文が取り上げられています。ぜひお立ち寄りください。

Posted: 木 - 11月 18, 2004 at 10:16 午前       |

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