胎児期の男性ホルモンと自閉症


サイモン・バロン＝コーエンらは、胎児期の羊水中のテストステロン濃度が高いと、生後のアイコンタクト、語彙数が少なくなり、４歳時のコミュニケーション能力にも差がみられるとする研究結果を発表しました(Autism Research Centre 英文)。日本語の記事がUK Today に掲載されています。詳しい英語の記事はこちら(Sunday Herald 英文)。
なおこの研究の対象の中には自閉症と診断された子供はいませんでしたが、研究者らはその関係を推測しています。

バロン＝コーエンは以前から自閉症の「極端男性理論」を提唱しています。論文の翻訳 がじゃじゃ丸トンネル迷路 に掲載されているので、ご参照ください。今回の研究もその延長線上にあるものと思われます。現時点では論文などにはなっていないようで、詳細なデータは見つけられませんでしたので、研究の信頼性などについてはまだ何とも言えません。

UK Todayでは出生前診断と結びつけた批判があることに触れていますが、現時点では診断とはほど遠い仮説の段階です。自閉症の病態解明と言う目的からは、この種の研究の有効性には期待が持たれます。僕自身は極端男性脳理論に今すぐ飛びつく気にはなれませんが、今後の研究の進展には期待しています。

Posted: 火 - 4月 20, 2004 at 08:01 午後       |

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