ディーゼル排気ガスと自閉症


ディーゼル自動車の排気ガスを、妊娠中のマウスに吸わせると、生まれた子供の小脳にあるプルキンエ細胞の数が少なくなることがわかったそうです(Yahoo News 毎日新聞 )。
記事中では、このプルキンエ細胞の数の減少が自閉症の発症と関連しているのではないかという示唆がなされています。

記事としては、ちょっと先走りすぎているようには思われます。まだ論文になっているわけではないので、詳細はよくわかりませんが。
菅又昌雄・栃木臨床病理研究所長は「プルキンエ細胞の消失などは、精神神経疾患につながる可能性がある。ヒトはマウスに比べ胎盤にある“フィルター”の数が少ないため、ディーゼル排ガスの影響を受けやすいと考えられる。現在、防御方法を研究中だ」と話している。

研究者のコメントはこのような控えめなものです。取材に対して、あるいは学会発表の内容のなかで多少自閉症との関連に触れている部分はあったのでしょうが。サイエンスに関する大部分の新聞記事と同じく、仮定の上に仮定を積み重ねたような部分が、大きく取り上げられていることには違和感がありますね。ただ記事中の橋本先生のコメントにもあるように、今後の研究の一つの方向を示している知見であるとは言えると思います。

参考
自閉症と小脳、プルキンエ細胞に関して、じゃじゃ丸トンネル迷路 にいくつか日本語の記事があります。
自閉症小脳でのアポトーシス異常？
小脳プルキンエ細胞が自閉症では小さい
小脳の発達以上と認知機能・小脳運動機能

Posted: 日 - 6月 4, 2006 at 11:34 午後       |

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