自閉症患者は診断基準の変更をきっかけに増加した？


アメリカのミネソタ州における自閉症の発生率は1980-1983には5.5人／10000人であったのに、1995-1997には44.9人／10000人に増加したとする論文が発表されました(PubMed 英語)。
筆者らはその理由を、より広範で正確な診断基準が採用されたこと、利用できるサービスが増加したこと、自閉症についての社会全体の認識が高まったことなどによると推測しています。
これに基づいた記事の概要がこちら(British Medical Journal 英語)で、更にそれに基づいた日本語の記事がこちら(Med Wave )にあります。ああ、ややこしい…

ともあれ、数字の多寡はともかくとしてこの時期に自閉症(のみならず広汎性発達障害一般)の見かけ上の発生率が急速に上昇したのは、先進国では一致した現象といえます。その原因についてはいろいろと言われていますが、この論文で推測されているような原因が関与していることはほぼ間違いないと思われます。ただし原理的にそれを立証することは非常に困難なため、あくまで推測を積み重ねることになってしまいますが。

Posted: 日 - 1月 23, 2005 at 10:15 午後       |

©