多動を伴う広汎性発達障害児へのメチルフェニデートの投与


Archives of General Psychiatry 誌に、多動を伴う広汎性発達障害児へのメチルフェニデートの投与についての、論文が掲載されました。
Randomized, Controlled, Crossover Trial of Methylphenidate in Pervasive Developmental Disorders With Hyperactivity.

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この研究は、ランダム化された、二重盲検で、プラセボとメチルフェニデートを同一のケースに順に投与して効果を比較する（クロスオーバー）というやり方で行われており、非常に信頼性の高いものであると考えられます。症例数も72例と比較的多数です。また同誌は精神医学系誌のなかで、最も重要視されている雑誌の一つです。
対象となったのは中等度から重度の多動性を伴う広汎性発達障害児、72名で、年齢は5歳から14歳とのことです。このうち6例が試験投与中に、主に教師による行動評価のチェックリストにより、効果を測定しています。
結果として、72例中35例（49％）で改善が見られました。一方で副作用などのためにメチルフェニデートの内服を続けることが出来なくなったケースが13例（18％）に上りました。
ADHDの児童に対する効果より小さく、副作用の頻度も高いが、広汎性発達障害児の多動に対して、メチルフェニデートは有効である、とまとめられています。

この結果は臨床的な実感と、よく合っているように思います。もうちょっと積極的にメチルフェニデートを使っても良いのかもしれません。
ただ対象児が、広汎性発達障害のどのサブカテゴリーに入る子どもなのか、ということがアブストラクトには書かれていません。明日出勤したら、そのあたりをちゃんと確認しておきます。

Posted: 日 - 11月 20, 2005 at 09:05 午後       |

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