奈良医師宅放火殺害事件調書漏洩　講談社委員会の調査報告


奈良県の医師宅放火殺害事件の供述調書が流出し、それを引用した書籍が出版された問題に関して、出版元の講談社の設置した委員会の調査報告が公開されています。
「少年法の趣旨から不適切」＝調書引用本で調査委－講談社 (時事ドットコム)

追記
各新聞社も一斉に記事を配信しています。
「公権力介入招いた」少年調書漏えいで講談社調査委 (YOMIURI ONLINE)
調書引用：「取材源との約束違反」　講談社調査委が指摘 (毎日jp)
入手した調書、講談社内で使い回し　奈良・母子放火殺人 (asahi.com)
講談社の出版倫理に問題　奈良放火殺人事件で (MSN産経ニュース)

どの社も取材源との関係についての部分を大きく取り上げているという印象を受けます。新聞社の視点から見ると重要なポイントなのでしょうね。

講談社のサイトの調査委員会のページ にはまだ新しい情報はないようです。
（ 2008.4.14 追記　講談社のウェブサイト には翌日には報告書の全文と社の見解が掲載されていました。）

記事もあまり詳しくはないのですが、
「大量の調書をあからさまな形で公開したことは少年法の審判非公開の趣旨を失わせ、不適切だ」とする調査報告を公表した。
（「少年法の趣旨から不適切」＝調書引用本で調査委－講談社 時事ドットコムより）

とあるように、ごく常識的な結論になっているようです。
また取材源秘匿の問題に関しても触れられています。
調査報告書は草薙さんと担当編集者を「取材源秘匿の意識が十分でなかった」と指摘。膨大な供述調書の所有者が限られていた上、少年の関係者らの取材をほとんどせず、調書だけを題材に執筆したとして「取材源の特定に容易に結び付いたのではないか」とした。
（「少年法の趣旨から不適切」＝調書引用本で調査委－講談社 時事ドットコムより）

ところでこのタイミングで調査報告が公開されているのは、やはり2008年4月14日に予定されている初公判を意識してのことなのでしょうか。
毎日新聞には調書の流出元とされる被告医師のインタビューが掲載されています。
奈良・田原本町の放火殺人：調書漏えい　被告の医師「殺人の誤解解くため」 (毎日jp)

興味のある方はこちらもご覧下さい。
奈良医師宅放火殺害事件　調書漏洩事件　関連記事一覧

Posted: 水 - 4月 9, 2008 at 11:18 午後       |

©