奈良医師宅放火殺害事件　加害少年の鑑定書


2006年6月、奈良県で起きた医師宅放火殺人事件で、家庭裁判所に送致されていた被疑少年について、広汎性発達障害であり、持続的な抑うつ状態にあったとする鑑定書が奈良家裁に提出されました。
長男、父親の暴力で「抑うつ状態」　奈良・母子放火殺人 (asahi.com)
長男は「広汎性発達障害」 　医師宅火災で精神鑑定書 (中日新聞)

この事件に関しては、考えなくてはいけないことが、あまりにもたくさんあり、どのようにコメントしてよいのかわかりません。

これまでの報道を見ていて一つ思うことは、この事件に関して本人の精神鑑定のみからわかること、判断できることは、他の事件と比べたときに、特に少ないのではないかということです。
いくつかのエピソードを見ていると、この少年に広汎性発達障害があったとしても不思議はないとは思いますが、それがこの事件の経過に寄与している部分は意外に小さいのではないか、あるいは今後の処遇を考える時にも、障害の有無ということはそれほど重要な判断材料とする必要はないのではないか、と何となく感じられます。

朝日新聞の記事では、
関係者によると、鑑定書はＡ４用紙約５０枚。広汎性発達障害の程度については触れておらず、心神耗弱だったかどうかや、刑事責任能力の有無については言及しなかった。長男の処遇については、長男が「毎日寝る前に（死亡した）３人に対して謝罪しているなど反省もみられる」とし、「障害などによる精神状態などを考慮して判断すべきだ」とした。

と書かれており、中日新聞でも
関係者によると、鑑定書は「長男は幼少時から続いていた父親による暴力で持続的な抑うつ状態にあり、父親からの逃亡を考えていた」と指摘。これに広汎性発達障害による注意障害が加わり、逃げること以外思いつかない状態で自宅に火を付けたという。

　また「さまざまな事情が重なりあって起きた不幸な事件」とした上、精神状態や深く反省していることを考慮した処遇を求めているという。

となっています。

鑑定書の中にもそうした迷いや思いが込められている、と思うのは勝手すぎる解釈でしょうが…。

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Posted: 土 - 10月 14, 2006 at 09:45 午後       |

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